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2008年5月10日 (土)

出会い-透明

透明(とうめい)とは、その先にあるものが透けて見えること。極端な場合には、そのものが存在しないかのように感じられる。

一般に「透明」とは可視光線)に対してのことを言う。そして光は電磁波の一種であるので科学的に一般化して、ある物質がある電磁波に対して透明であるとは、その物質と電磁波との間に相互作用が起こらず、電磁波の吸収および散乱が生じないということを意味する。

ある物質が電磁波を吸収する場合、その物質は吸収した波長補色に色づいて見える。例えば、葉緑素色に相当する680 - 700 nmの波長の光を吸収するため、補色の色に見える。

また、ある物質が電磁波を散乱する場合にも、その物質は色づいて見える。散乱は物質が電磁波の波長と同等の単位構造をもつときに生じる。例えばは可視光線を吸収しないためまとまった量では透明に見えるが、細かい粒子になると光を散乱するため不透明となる。や湯気が白くみえるのはこのためである。

したがって、透明であるかどうかという評価は、対象とする電磁波の波長を特定しないと行うことができない。窓ガラスなどは可視光線に対してはほぼ透明であるが、紫外線はあまり透過しないため、紫外線を感知する生物にとっては透明とはいえない。反対に、もしX線を感知する生物がいるとすれば、ヒトは半透明な生物として観察されるであろう。

なお、英語で「透明」は transparence であるが、透明性を表現する単語として transparent と translucent の二語がある。これらは単純に透明・半透明で区別されるべきものではない。前者は trans-(=through、通す・通る)にラテン語paritas(同等の意)が組み合わされた語であり、透明たる対象を介して全く同じ像や事象が伝達される事を意味する。後者は同じく trans- にラテン語の luc-(明るい)もしくは lux(光)が組み合わされた語であり、光が透過する事に重点が置かれる。従って、「透光性セラミックス」や「透過式スクリーン」等の表現にはこちらが相応しい。

生物においては透明なものはそれほど珍しいものではなく、クラゲの稚魚やサボテンの内部組織など、透明なものも多い。

透明な材料は製造に高い技術を必要とするため、純度が高いものや大きなものを作るのは難しい。しかし、科学技術の発展によって、さまざまな透明な素材が開発されるようになった。現在では水族館のガラスに使用されるアクリル樹脂や、光ファイバーに使用される石英ガラスなど、透明度が非常に高い素材が作られている。

ビッグバン理論によると、宇宙はできてからしばらくは不透明であった。

人間が透明になったら、という仮定で生まれた想像上の産物が透明人間である。SF小説や映画でたびたび取り上げられる。しかし、実際にそれを可能にする方法は現時点では存在しない。

よくある突っ込みとして、もし透明人間が存在したとすると、眼球が100%光を透過してしまうため理論上は目が見えないことになる、というのがある。見えるようにするためには、光を眼球で屈折させ、網膜で吸収させる必要がある。これらの組織を透明にすることができたとしても、光が屈折・吸収されているため、「そこに何かがある」ということが周りの人にはわかってしまう。しかしながら、透明になれればいいなあ、という想像は洋の東西をとわず広く存在するようである。たとえば妖精コロポックルが姿をかくす話、天狗隠れ蓑の話等、民話のレベルで姿を隠していたずらや悪さをするものの存在が語られている。

自然のままの存在では、動植物から鉱物に至るまで、全くの透明(可視光線を100%透過する)というものはほとんど存在せず、半透明が限度であるが、そこから触発されて、まずSFの世界においてH・G・ウェルズの『透明人間』のような架空のガジェットとしての「透明な存在」が発想された。

村上龍は小説『限りなく透明に近いブルー』でデビューし、1976年に第75回芥川賞を受賞した。

周りから相手にされない、という状態の比喩として「透明」という表現もしばしば用いられる。

ある物質の透明度を評価する単位としては、湖沼の水質評価などの簡易的な目的で使用されるメートル (m) 、実験的に使用される透過率、光ファイバーなどを定量的に評価するために使用されるデシベル毎キロメートル (dB/km) がある。

湖沼などでの透明度は、直径30cmの白色円板(セッキー円盤)を水中に沈め、肉眼により水面から識別できる限界の深さを言う。どこででも簡単に測定することができるが、肉眼による測定であるため個人差が大きい。日本の湖でも透明度の高い摩周湖は、透明度約20mである。

ガラスなど、一般的な材料の透明度は、入射光と透過光の強度比を百分率で表した透過率で表す。透過率は対象とする光の波長によって異なるため、どの波長で測定したかを明記する。可視光線の場合、550nm での透過率を基準とすることが多い。

光ファイバーなど、きわめて透過性の高い材料を評価するには、ある波長の光が物質中を1キロメートル進んだとき、どの程度の光が「損失」されたかをデシベルで表す。空気の透明度はほぼ0dB/km、アクリル樹脂で約100-200dB/km、普通の窓ガラスで約1000dB/km 程度である[1]

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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